頭へ疵を付けられて泣く/\帰つたが、国では田地を買ひ、
木材を伐り出す約束をして、手金まで打つてあるから、今更金が出来ないと云つて帰ることは出来ない。
木材をさがしもとめ、和尚の熟睡をまつて庫裏の一隅に胡座し、鑿を揮ひはじめてのちには、雑念を離れ、屡々夜の白むのも忘れてゐたといふことである。
その子が召されて来て、暫くその
木材を睨んでいたが、やがてよろしゅうございますと引き受けた。
鈴子は、しゃがんで堀の縁と
木材との間に在る隙間を見付けて、堀の底をじっと覗くのであった。
夫人の案内で景子達は英国産の樫の
木材で内部を組立てた純英国式の応接間へ通った。
彼は、露人経営の
木材会社で、現場監督のやうな役をあてがはれ、勤めをすますと、養狐を副業にしてゐる下宿屋の亭主と、露西亜文学の話をした。
それに列んで仮橋が架けられている、
木材や石のたぐいを積み込んだ幾艘かの舟も繋がれている。
成程人間生活には
木材といふものが多分にはいつてゐるであらう。
が、伐れども盡きぬ自然の富は、終に國民をし、
木材以外の材料を用ふるの機會を得ざらしめた。
雜木とは、櫟、榛木など、
木材とならずして、おもに薪炭に用ゐらるゝもの也。