尤も「女」と云ふ者があると云ふ事は、漠然と知つてゐたが、わしはわしの思想が此様な題目の上に
止る事を許さなかつたので、わしは全く純真無垢な生活をつゞけて来た。
玄関の方に自動車の
止る音がして、やがて階段の下で、義弟に当る七つの蓑吉の声がする。
しかしこんな時代遅れの議論は誰の耳にも
止るはずはない。
と思って立
止ると、いつか潮がさし出したと見えて、黄泥を洗う水の色が、さっきよりは間近に光っている。
されば流れ出づる感情は往く處に往き、
止る處に止りて毫も狐疑踟※の態を學ばなかつた。
彼女は馬車が鹿鳴館の前に
止るまで、何度いら立たしい眼を挙げて、窓の外に流れて行く東京の町の乏しい燈火を、見つめた事だか知れなかつた。