対馬守は端然として正座したまま、潔よい最期を待つかのように、じいっと今一度闇になった書院の中の
気配を窺った。
間もなく屋内が、吃驚した人の
気配で急に騒がしくなった。
けれども戸締りがしてないのに家の中に人の
気配がないと、ふと不審を覚えていつもの軽い気持で玄関から奥へ通ずる扉を開けてみた。
この
気配に一同もくさっちゃってそれぞれ元の客席へ退散という段取りになるのが例だった。
そして、私を気易くしたのは、この娘が自分で自分の美しさを意識して所作する二重なものを持たないらしい
気配いである。
ある日楯岡へ行つた帰りに袖崎駅で下車して大石田へ向つて歩いて来ると、ヘグリに近い小菅村に沿うた最上川に鯉の群が遊泳してゐるやうな
気配を感じた。
「だって君、この汽船はけさ九時に出港するんだという話だったが、ほら、もう十一時になるというのにいっこう出る
気配がないじゃないか。
かすかな
気配ではあったが、しかし不思議にも秋風に吹かれてさわさわ揺れている草自身の感覚というようなものを感じるのであった。
人の
気配をかぎつけると彼れは何んとか身づくろいをしないではいられなかった。
けれども、もうだいぶ時間が経っているのに卵はいっこう殻の破れる
気配もありませんし、訪ねてくれる仲間もあまりないので、この家鴨は、そろそろ退屈しかけて来ました。