寺の前がすぐ大堰川の流で「梵鐘は清波を潜って翠巒に響く」という
涼しい詩偈そのままの境域であります。
水戸は邸の中から爺やの出てくる間、その闇の中に友を抱えてひょろひょろしながら、黒く
涼しい風を襟元にうけて、蘇ったような気持ちにひたっていた。
カッフェの外のアスファルトには、
涼しい夏の夜風が流れている。
何しろ色が白くって、眼が
涼しいから、鼻の先が少し上を向いていても、とにかく一通りの美人である。
朝は晴れていたが、四ツ(午前十時)頃からときどきに薄く曇って、いくらか
涼しい風が吹いていた。
旧暦の八月なかばで、朝夕はめっきりと涼しくなったが、きょうは袂
涼しいのを通り越して、単衣の襟が薄ら寒いほど冷たい風がながれて来た。
少女はそれにも関らず、西瓜の種を噛みやめては、時々
涼しい眼を挙げて、卓の一方に面した壁をぢつと眺めやる事があつた。