そして、兎も角学校を卒業して——(もはや二年半)、
無為な毎日をただ送るうちに、殆んど辷るやうにして、たわいもなく斯様な憂鬱に潰されてしまつた。
「島の人生」に人道の憂ひを齎した流人たちは、所在なさと人懐しみと後悔のせつなさとを、まづ深く感じ、此を
無為の島人に伝へたであらう。
江戸から発せられた早打が駿府の城へ着いてから、今日の時間にして四時間余というもの、全く
無為に費やされたのであった。
今迄の職業も経歴も告げず、この二階を私達に譲つて行つた親戚の者の、信用され又多少尊敬されても居る蔭に身を寄せて、
無為な不可解な毎日を送つて居た。
然しながら
無為の陥穽にはまった人間にもなお一つ残されたる信仰がある。
かくてこそ石井翁の
無為主義も実行されているのである。