巡査が
犯人を逮捕に行くとなると、向うが抵抗するかも知れないと云ふ不安があるでせうが、軍艦の中ではそんな事は、万々ありません。
それで
犯人は一も二もなく恐れ入って、裁判はすぐに落着したので、丁はそれを上官の姚忠粛に報告すると、姚も亦すこし考えていた。
一度やられると、たとえやった
犯人の顔がわかっていても、二度とお宝は出て来ないのです。
帆村探偵ともあろうものが、ヒョイと立って手を伸ばせば届くような間近かに、何時間も坐っていた殺人
犯人をノメノメと逮捕し損ったのだった。
また二つにはその方法処置が完全で、犯行の全然判らない点もあるし、たとえ判ったにしても
犯人たるの証拠が全然残されていないことにも原因するのだ。
「
犯人はまだ判りませんかね」と、老人は顔をしかめながら云った。