安名失望の極、腹を切らうとすると、先の狐が葛の葉姫に化けて来て
留める。
眺め入る河面は闇を零細に噛む白波——河神の白歯の懐しさをかつちりかの女がをとめの胸に受け
留める。
そして、あはや番人の
留めるひまもなく、繊手を伸ばして、額のガラス板をたたきわつた。
しかしながら、稀に、われわれの耳は、ある種の「魅力」に遭遇して、忘れ難き印象を
留めるのである。
私たちの一向に気のない事は——はれて雀のものがたり——そらで嵐雪の句は知っていても、今朝も囀った、と心に
留めるほどではなかった。
廓の外寄りのおはぐろ溝の岸には、一つ一つ、廓の内から架かつて来る橋板を受け
留める台があつた。
僅かな所だが、仕方がないから車に乗ろうと決心して、帰りかけた車屋を急に呼
留める。