したがって何かよい加減のでたらめを書いて来たのではないかという御
疑念があるかも知れません。
今後、機会のある毎に、釈いて行つて見たいと思ふ、日本書紀と言ふ書物に絡んだ、いろんな
疑念の中、第一にほぐしてかゝらねばならぬのは、名義とその用法とである。
宙返りをしていることは、はっきり分っているくせに、「自分は今、本当に宙返りをやっているのかしら、夢を見ているのではないか」という
疑念がしきりと湧いた。
だから「危難の海」に現われたこの小さい白点は、月世界の無人境説の上に、一抹の
疑念を生んだ。
豪胆な、そうして支倉の犯した罪については少しも
疑念を挟んでいなかった彼は、こんな呪の手紙位にはビクともしなかった。
真剣であるならば、その態度に対して、第三者は、いさゝかの
疑念をも挾むことができないだろう。
よしや幻想に欺かるゝ事ありとも、二人が間には一点の詐偽なく、一粒の
疑念なし、二にして一、一にして二、斯の如く相抱て水に投ず。