けれどもその恋愛の
相手に篤介を選んだと言うことだけは意外に思わずにはいられなかった。
それから
相手がよろよろする間に一生懸命に走り出した。
ようやく最初のショックから恢復した私は、その男がこう弁じ立てている間に、始めて落着いて
相手を観察した。
が、
相手は誰かと思ふと、朱鞘の大小を閂差しに差した身の丈抜群の侍だつた。
或声 口巧者な横着ものめ! 誰ももうお前を
相手にしないぞ。
しかし明子はその間にも、
相手の仏蘭西の海軍将校の眼が、彼女の一挙一動に注意してゐるのを知つてゐた。
下役でさへさうだとすれば、別当とか、侍所の司とか云ふ上役たちが頭から彼を
相手にしないのは、寧ろ自然の数である。