自分は昨年一月の本誌神祇
祭祀号において少彦名命の研究を発表した中に、説たまたま谷蟆の事から、引いてクグツ(傀儡)の名義にまで一寸及んだ事であった。
厳粛な宮中の
祭祀の中で、一種ひようきんな趣きを見せてゐたものに、大宮之※祭りがある。
五伴緒と称した宮廷
祭祀の、専属職業団体の高天原以来の本縁を語ると共に、宮廷の祖神も此時に降られ、天地の交通は大体疎隔せられた様に説いてゐる。
つまり
祭祀の時の神として来向ふ若干の神人が、臨時に山中・海島に匿れて物忌みの後、神に扮装して来ると言ふ風が、半定住の形を採つたのである。
それ故にこれ等の異變がある度に、奉幣使を遣して
祭祀を行ひ、或は神田を寄進し、或は位階勳等を進めて神慮を宥め奉るのが、朝廷の慣例であつた。
また同書によると、この火災の爲め遠慮して
祭祀を停止せられた事も載つて居る。