天幕を使ふ様になつてから、非常に華美を
競ひ出して、長さ八間幅一間余の緋羅紗に、大蛇対治の須佐之男命・石橋・予譲・楠公子別れなど、縫模様の立派な物になつた。
その代り二人は
競つて難しい詩や哲学の書物を読んだ。
野には晩春を咲越へて、なほ衰へを見せない花、すでに盛夏を導いて魅力ある花、それ等に交り、当期の花は鮮妍を
競つて盛上つてゐる。
即ち元弘の乱に官軍に加った武士は、元来勲功の賞に与らん為のみであるから、乱後には忽ち幾千万の人々が恩賞を
競望して居る。
その上又珍らしいことは小町園の庭の池に菖蒲も蓮と咲き
競つてゐる。
だが推理作家が勢に乘つて來て、凡、「血みどろ」「拔け穴知らず」など言ふ技術を
競ふばかりで、探偵小説本來の目的など言ふことは考へても見ないやうである。
而して聴衆は話の主人公たる長二と、話術の演術者たる圓朝子と、両々相対して亦是れ名人
競たるを知らん。
未だ數分ならざるに、群獺忽ち
競逐うて、勢死を避けず、執得て輙獻ず。