——私はその氣持には
純粹に嘘を忌むといふ氣持もあるにはあつたらうが、それよりももつと私に應へるのは弟に私の戲畫を見せられることであつた。
星を眺めてゐると、星と語つた古代人の稚
純な気持ちが、自分にも見出されるやうな気がする。
葉子の良人戯画家坂本は、元来、政治家や一般社会性の戯画ばかり描いて居たが、その前年文学世界という
純文芸雑誌から頼まれて、文壇戯画を描き始めて居た。
しかも今日邂逅ったばかりの、赤の他人でござりまするがな……」——
純八は幽に眉をひそめ「何か老僧のご病気に就き不審の点でもござりまするかな?」
性質の
純な所が、外面的の修養などが剥がれて現われたものである。
止むことを得ずして何時でも決死の態度をとつたらうと思はるる彼れ安藤は實は
純粹なる平和主義の人であつた。
たとへば聊か気質の偏りのある人の、年を積み道に進みて心さま
純く正しくなれるが如し。
大川の水があって、はじめて自分はふたたび、
純なる本来の感情に生きることができるのである。
その度に譲吉は、夫人から受くる恩恵に狎れて、
純な感謝の念が、一回毎に、薄れて行かぬよう、絶えず自分の心を戒しめて居た。