冬が来た、冬が来た、木はその葉を振い、飛ぶ禽も
翼を縮めるべき冬が来たのだ。
慷慨家の金子は、
翼なき身を口惜しむように、足摺りしながら叫んだ。
しかも先生のうすよごれた折襟には、極めて派手な紫の襟飾が、まるで
翼をひろげた蛾のように、ものものしく結ばれていたと云う、驚くべき記憶さえ残っている。
この會には柳田君の學友で、後に派手な政治の舞臺に活躍することゝなつた江木
翼さんの顏も見えた。
かかる時浜には見わたすかぎり、人らしきものの影なく、ひき上げし舟の舳に止まれる烏の、声をも立てで
翼打ものうげに鎌倉のほうさして飛びゆく。
楕圓形の葉は、羽状複葉と云ふのが眞蒼に上から可愛い花をはら/\と包んで、鷺が緑なす蓑を被いで、彳みつゝ、颯と開いて、雙方から
翼を交した、比
翼連理の風情がある。