その桑は
莚につつんであるが、柔かそうな青い葉は茹られたようにぐったりと湿れている。
所謂、「庭の能」で、
莚などの上でしたものゝやうです。
ちっとばかりの土産物を持って半七老人の家をたずねると、老人は湯から今帰ったところだと云って、縁側の蒲
莚のうえに大あぐらで団扇をばさばさ遣っていた。
温泉あれば湯に入て宿をかるに、土坐に
莚を敷てあやしき貧家也。
その洞門のうがたれつつある巌壁の前には黄の菰
莚、バラック、鶴嘴、印半纒、小舟が一二艘、爆音、爆音、爆音である。
だがその上を蔽うているのは、
莚張りの蒲鉾小屋、随分穢い、雨露にうたれたのだ。