私が自分自身の為仕事を
見出したといふこともこの抛棄の決心を固めさせてくれました。
がさうなる迄には三人のオービユルン家のものが、其宝を
見出して、そして死なゝければならない。
何であらうと一心にそれを見守つてゐると、突然その光の下に黒々とした山のやうな巨船の姿を
見出してびつくりしたことがある。
彼は、ふと自分の方へ動いてくる群衆の流れのうちに、ある一つの顔を
見出した。
が、その間に大尉は初めは少しも気がつかなかった苦いかすが、中尉との交情の中にあることを
見出したのである。
アントニイもきっと我我同様、クレオパトラの眼とか唇とかに、あり余る償いを
見出したであろう。
最後に、内供は、内典外典の中に、自分と同じような鼻のある人物を
見出して、せめても幾分の心やりにしようとさえ思った事がある。
私はこの小さな油画の中に、鋭く自然を掴もうとしている、傷しい芸術家の姿を
見出した。
がさつな、だらしない風をした沢山の文人のなかに、そういう麻川氏を見て葉子はこころにすがすがしく思い乍ら、ふと、麻川氏の傍に嬌然として居るX夫人を
見出した。
が、世紀末に人となつた僕はやはりかう云ふ彼の中に有史以来の僕等を
見出してゐる。