手を添えて突き落すは三つ児でも出発る業で厶りまするが、これを支え、喰い止めようとするは大丈夫の御覚悟持った
お方でのうてはなかなかに真似も出来ませぬ。
「もしもし、今、扉を叩きこわしていられるのは、ドイツ軍の
お方ですか」
わたくしの話はいつも前口上が長いので恐れ入りますが、これだけの事をお話し申して置かないと、今どきの
お方には呑み込みにくいだろうと思いますので……。
「いぶかしい
お方が血まみれとなりまして、あの塀外から屋敷うちへ飛び込んでござります。
いやに気位を高くして、家が広いから、それにどうせ遊んでいる身体、若いものを世話してやるだけのこと、もっとも性の知れぬ
お方は御免被るとの触込み。
近いためしは今わたしらが擣っている修禅寺紙、はじめは賤しい人の手につくられても、色好紙とよばれて世に出づれば、高貴の
お方の手にも触るる。
九「実はあんたによう似た
お方があるので、その
お方だと思うて、実に申そうようない事をいたし、申し訳がありまへん、どうぞ御勘弁を」
その助太刀は左官の才取でございますが、年配の
お方にお話の筋を承わりましたのを、そのまゝ綴りました長物語でございます。
此の
お方は苦労人の果ゆえ、仮令芸人を扱っても、芸者を相手にしても、向うの気に入るような事ばかり云います。