呉清源を加えて名人位を
争うのでなければ碁は世間の片隅の幇間的存在として危く寄生するようなカタワな存在となるだけのことであろう。
スポーツも勝負であるから、勝敗を
争うのは当然であるが、それと同時に、練習の結果をためしている賭の要素が大きい。
小栗虫太郎などはヴァン・ダインの一番悪い部分の模倣に専一であって、浜尾四郎や甲賀三郎の作品も、謎解きをゲームとして
争う場合の推理やトリックの確実さがない。
主人夫婦に従うて、初瀬寺からの帰り途、桂川で現れた伏せ勢と
争うて居る処へ、南都のとつかう(東光か)坊が通りかゝつて、仲裁する(二段目)。
人間も四つ五つのこどもの時分には草木のたたずまいを眺めて、あれがおのれに盾突くものと思い、小さい拳を振り上げて
争う様子をみせることがある。
芝居へ連れて行かれて、自分も迷惑せず、人をも困らさなくなつた頃はもう鴈治郎・我当——後、仁左衛門——対立して人気を
争うてゐる時期であつた。
辻川博士の奇怪な研究室は葉の落ちた欅の大木にかこまれて、それらの木と高さを
争うように、亭々として地上三十尺あまりにそびえている支柱の上に乗っていた。
隠してしまうには惜しいくらいな明眸皓歯のりりしい男まえを深々と天蓋におおって、間道を今度こそは板橋口へ一刻を
争うように足を早めました。
人類相
争う限り、彼らはまだ、その真の自由を得ていないという意味を示してみたいものである。