方言と地の文との緊密な組み合はせを
企ててゐる努力が感じられないことはないが、これは「手前味噌」の表現といふものである。
常に可能の人間に就て考へ及ばざる頭脳、実子殺しといふが如き実例に遭遇するや見事に戸惑ひする頭脳をもつて小説の批評を
企てることは無謀であります。
尼僧の教えを奉じた桓温は幸いに身を全うしたが、その子の桓玄は謀叛を
企てて、彼女の予言通りに亡ぼされた。
私はここでこの言葉の言語学的穿鑿を
企ててゐるのではない。
これを、逆に考へれば、最も純粋且つ豊富な文学的作品は、その頂点に於て、一切の類型を超越した「美」の創造を
企ててゐる。
北村君が最初の自殺を
企てる前、病いにある床の上に震えながらも、斯ういう豪語を放っていたという事は、如何にも心のひるまなかった証拠であると思う。