目の前に欄干のあるところを
みると、どうも船の甲板らしい。
黙って二階へ上がって
みると、正作は「テーブル」に向かい椅子に腰をかけて、一心になって何か読んでいる。
おそらく彼はこんなことを何度もやって
みるにちがいない。
部屋に飛んで来て障子や柱にとまつたジガ蜂は、何かを求めるかのごとく、くるくると歩きまはりつつ、その穴を見つけると必ずそのなかへ入つて
みる。
けれども考えて
みると、僕がここまで辿り着くのには、やはりこれだけの長い年月を費やす必要があったのだ。
もし、現在の作家の中に、例を引いて
みるならば、泉鏡花氏のごときがその人ではないだろうか。
しかしながら本当に考えて
みると、その人の生活に十分の醇化を経ていないで、過去から注ぎ入れられた生命力に漫然と依頼しているのが発見されるだろう。
もしまただれか僕の筆記に飽き足りない人があるとすれば、東京市外××村のS精神病院を尋ねて
みるがよい。
そういわれて
みると葉子はきょうが天長節なのを思い出した。
真二つに切り割って中をのぞいて
みると——驚いたことに、何か白っぽいものが目についた。