これは我我の原稿ならば
兎も角、夏目先生の原稿にでもなれば当然問題を生ずる筈である。
朝鮮の王朝では驚いて為す所を知らず、
兎も角と云うので、明の政府へ日本来寇の報知を為したのである。
歩く道は極めて細いけれども、
兎も角農民がその道に頼つて歩くと見えて辛うじて道の形態をなしてゐる。
今日の支那人の政體又は其思想を見ればあれが進歩だか退歩かしらんが、
兎も角突飛なやり方である。
兎も角非常の大火で、金匱石室の藏が一朝烏有に歸したのは誠に殘念である。
しかし
兎も角好訳であるが、私版を五百部刊行しただけで、遂に稀覯書の中に這入つて了つた。
従つて今では以前よりも
兎も角大きい家に住み、何人かの子供を育てるやうになつた。
消印の「東京中央」といふ字が不明瞭ながらも、
兎も角読むことが出来た。
兎も角、僕は僕の少年の時の悲哀の一ツを語つて見やうと思ふのである。