窓硝子に映る電気スタンドの
円いシエードが少しも動揺しないところを見ると、兄は口だけでさういつて腰を上げてまで止めに出ては来ないらしい。
顔を地につけるようにして見ると、仰向きになった、銀杏のようなお由の
円い顔が直ぐ目についた。
そのまた彼の頭の上には真鍮の油壺の吊りランプが一つ、いつも
円い影を落していた。
するとたちまち道ばたに農夫の子らしい童児が一人、
円い石を枕にしたまま、すやすや寝ているのを発見した。
然し、みんなあの紅い
円いつやつやしたお月様を、若い綺麗な小母さまだと思つてゐます。
水際の蘆の間には、大方蟹の棲家であろう、いくつも
円い穴があって、そこへ波が当る度に、たぶりと云うかすかな音が聞えた。
するとある日、彼等の五六人が、
円い頭をならべて、一服やりながら、例の如く煙管の噂をしていると、そこへ、偶然、御数寄屋坊主の河内山宗俊が、やって来た。
お宗さんは
円い目をくるくるさせながら、きよとんとしてこんなことも言つたものだつた。
青草を枕に寝転んでいた露西亜人が、俺の肩を肱で小突いて指で
円い形をこしらえて、中指を動かしてみせた。
が、それよりも驚いたのは何か気味の悪い顔が一つ、
円い腕時計の硝子の上へちらりと影を落としたことです。