東宗というのは
柔かい四条派で、主任の先生は望月玉泉さん。
根はかち/\の石のやうに朽ち固つてゐながら幹からは新枝を出し、食べたいやうな
柔かい切れ込みのある葉は萌黄色のへりにうす紅をさしてゐた。
お前の方が手ざわりも
柔かいし、カミソリの当りも柔かくッていいや。
離れの障子の開く音がして、ひたひた板廊下をふむ
柔かい足音がしました——丈の高い色の真白な晶子夫人が、私達の前へ現はれました。
こう云う
柔かい美しさは一寸他の作家達には発見出来ない。
だが、それから六年後の今、この
柔かい景色や水音を聞いても、彼はかえって彼の頑になったこころを一層枯燥させる反対の働きを受けるようになった。
薄い毛織の初夏の着物を通す薔薇の棘の植物性の
柔かい痛さが適度な刺戟となつて、をとめの白熱した肢体を刺す。
両方の乳房が重たく垂れており、私は、右手の指をしゃぶりながら、その
柔かいあたたかい乳房を左手でいじくりまわしていた。
それが、寒天のような、
柔かい少年の心を傷つけずにいないのは、勿論だった。