うつかりすると、私は悪魔にも神様にも蹴とばされず、裸にされず、毛をむしられず、無事
安穏にすむのぢやないかと変に思ひつく時があるやうになつた。
当時の時代思潮は何かといへば、つまり平和を愛し一身の
安穏和楽をもとめるやうになつたといふことだ。
「わたしの夫が罪なくして殺された以上、どうしても相手を
安穏に捨てて置くことは出来ません。
総ての大夫は「翁」を心から神聖視して「天下泰平、国土
安穏」の祈祷として勤めたから、その見識もまた大層なものであつた。
祖母は向島の小さい穏かな住居で、維新の革命も彰義隊の戦争も、凡て対岸の火事として
安穏に過して来ました。