主人は庭を渡る微風に袂を吹かせながら、おのれの労働が為り出した
快い結果を極めて満足しながら味わっている。
焦熱地獄のような工場の八時間は、僕のような変質者にとって、むしろ
快い楽園であった。
また擦れ違う外国の婦人たちの初夏の服装の薄桃色や水色の上着の色が、
快い新鮮を与えてくれた。
彼は、廊下に吊るされた籠の中の、駒鳥の
快い鳴き声を寝台の上でききながら、太公が彼に勲章をくれる晴れがましい情景を想像してみた。
中尉の短く刈り込んだ髭や、いつも微笑を湛えている蒼い瞳や、一本一本手入れの届いている褐色の頭髪などは、誰にも
快い感じを与えずにはいなかったのである。
夏も過ぎようとする頃で、白夜が次第に夕方と暁方との方へ追いやられ、真夜中の前後四時間ほどは有難い真黒な夜の幕に包まれ、人々に
快い休息を与えていた。
是等の作品の中には、作者の眞摯な藝術的熱情と必至的な創作慾とが感ぜられて
快い。
その中の一人、——縞のシヤツを着てゐる男は、俯向きにトロツコを押した儘、思つた通り
快い返事をした。
枕許の雑音が、だん/\遠のくと同時に、それが
快い微妙な、小鳥の囀か何かのように、意味もない音声に変ってしまって居た。
快い小旅行への、楽しい用意であるはいうまでもない。