助手はこの有様に驚いて、早速介抱に取り
懸ったが、月野博士は笑いながら、今二人の開けた窓を手早く閉めて少年の側に立ち寄って、
また誰かに貰って来たローマ旧教の僧の首に掛け古された様な連珠に十字架上のクリストの像の小さなブロンズの
懸ったのを肌へ着けたりして居ました。
浮島の真菰大尽の次男坊も引
懸ったが、どれも三月とは持たなかった。
みんなの口から一せいに白い息がはきだされて、部屋の方々に小さな虹が
懸った。
さ、その無心を叶えて貰っての帰りさ、通り
懸ったのが今話しの第九工場の横手。
三千子は、それを聞いて、電気に
懸ったように、びっくりした。
天と地との間に
懸るところの、その法則の上に己れの魂がつくられてゐるところの、善悪の意識そのものを否定せんとするのは近代人の自殺である。
午頃の蔭もささぬ柳の葉に、ふわふわと柔い風が
懸る。
一つは渓に沿った街道で、もう一つは街道の傍から渓に
懸った吊橋を渡って入ってゆく山径だった。
丁度、旦那様の御留守、母親は奥様にばかり御目に
懸ったのです。