巴里は遂に新吉に故郷東京を忘れさせ今日の追放人にするまで新吉を
捉えた。
この時偶然彼の眼は、点々と木かげの苔に落ちた、仄白い桜の花を
捉えた。
こう云う鼠を狩るために鼠を一匹
捉えたものには一日の上陸を許すと云う副長の命令の下ったのは碇泊後三日にならない頃だった。
少年はこの男に追いすがり、しっかりと外套の袖を
捉える。
祖母が横から、祖父の顔を睨むようにして、そして祖父の言葉尻を
捉えるように言った。
もちろん画題のことなどは殆ど私まかせのものですが、私も何か変った図を
捉えたいと思いまして、日を送っていました。
——すなわちわたしたちの精神的飛躍の空中に
捉えた花束ばかりである。
しかも彼自身の配列方法は今では不明であるし、普通の写本のようにイロハ順で漫然と並べるよりも、内容の類似点を
捉えたこの配列の方が遙かに合理的だと考える。