そしてそれは次項述ぶるところの伊予宇和島地方の鹿の子踊りによって、さらに裏
書きさるべきものであらねばならぬ。
いよいよ晦日であるから、思い切って今日中に片附けてしまおうと、汗をふきながら整理をつづけていると、手文庫の中から
書きさしの原稿類を相当に見出した。
書きさしの下絵などを見出すにつけて、また新しき涙を誘わる。
男「へえー芝居にありさうですな、河竹新七さんでも
書きさうな狂言だ、亀裂皹を隠さう為めに亭主は熊の膏薬売り、イヤもう何処で何う云ふ方にお目にかゝるか知れません。
「葉子を確実に占領したといふ意識に裏
書きされた木部(独歩)は、今までおくびにも葉子に見せなかつた女々しい弱点を露骨に現はし始めた。
私が情痴作家などゝ言はれることは、私が小説の中で作者の理想の女を
書きさへすれば忽ち消える妄評だといふことを。
彼の思想が、その誠実な生き方に裏
書きされてゐることを読み落すのではないかと想像する。
門柱の一方には『無料宿泊所』の看板があって『お宿のない人、職のない人は遠慮なくお越し下さい』と、親切な添え
書きさえしてあった。
自分は、これだけの事を
書きさへすれば、それが、如何に日の長い初夏の午後であるか、読者は容易に想像のつく事だらうと思ふ。