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框の縁に腰を掛く)お勝手働き御苦労、せっかくのお手を水仕事で台なしは恐多い、ちとお手伝いと行こうかな。
かれは息を切つて、逃げて、逃げて、柴井町の自分の店さきまで駈けて来て、店の
框へ腰をおろしながら横さまに俯伏してしまつた。
作者の柔軟で鋭い感受性が、観念の固い
框のなかで喘いでゐる部分が目につく。
彼らは、なるほど、多分に前時代の風習を身につけ、まだ階級の
框といふものを脱してゐない。
それに釣りこまれた良平もいつか膳を置きざりにしたまま、流し元の
框にしゃがんでいた。
が、ちょうど南に向いた硝子窓の
框の上には薬壜が二本並んでいた。
——ぐら/\と來るか、おツと叫んで、銅貨の財布と食麺麭と魔法壜を入れたバスケツトを追取刀で、一々
框まで飛び出すやうな卑怯を何うする。
……
框の狹い三疊に、件の提灯に縋つた、つい鼻の先は、町も道も大きな穴のやうに皆暗い。
大道へ持出して、一杯でもあるまいから、土間へ入つて、
框に堆く崩れつんだ壁土の中に、あれを見よ、蕈の生えたやうな瓶から、逃腰で、茶碗で呷つた。