あの家の店へ
這入ると、帳場のわきに大きなすつぽんが火燵に倚りかゝつてゐたので、これは不思議だと思つてよく見ると、すつぽんでなくて亭主であつた。
山に
這入ると松茸の香がしめつた山氣に混つて鼻に泌みる。
おかげ(真におかげさま)で、昭和二十一年の夏は、僕発明の蚤よけ袋の中に
這入る必要もなく、病後の身を安らかに過ごすことが出来たのである。
こんな風にして、寝しなに
這入る湯まで、日に幾度這入ったか知れない。
例外として、「奉教人の死」と「きりしとほろ上人伝」とがその中に
這入る。
人間は、一度そこへ
這入ると、いかにもがいても、あせっても、その大なる牢獄から脱することが出来ない。