「百本杭」もその名の示す通り、河岸に近い水の中に何本も
立つてゐた乱杭である。
私は時々
立つて障子を開けて、向ひ側の陽のよくあたる明るい部屋部屋を上から下まで、羨しさうに眺めやつた。
さうして式後二三日してから、新夫と一しよに勤め先きの大阪へ向けて
立つてしまつた。
自分はこれを書いてゐる今でも、君の悠然とした歩き方を思ひ出すと、もう一度君と大学の廊下に
立つて、平凡な時候の挨拶でも交換したいやうな気がしないでもない。
その又奇抜な「話」の上に
立つた同氏の小説の何篇かは恐らくは百代の後にも残るであらう。
しかもその人波は、三鞭酒のやうに湧き
立つて来る、花々しい独逸管絃楽の旋律の風に煽られて、暫くも目まぐるしい動揺を止めなかつた。
而して予が否と答ふるや、彼女は左手を垂れて左の趾を握り、右手を挙げて均衡を保ちつつ、隻脚にて
立つ事、是を久うしたりき。
その後に居すくまつて、さつきから小声の称名を絶たないのは、今度伊賀から伴に
立つて来た、老僕の治郎兵衛に違ひない。
それがしは日頃山ずまひのみ致いて居れば、どの殿の旗下に
立つて、合戦を仕らうやら、とんと分別を致さうやうもござない。