作者がその冷酷ムザンなのを自覚せず、意図をハミだして生れた
箇所であるために、イノチがこもって、光りかがやいているようである。
随って、杉箸の中央に糸をつけてこれを指でもち、そのところより両方へ等距離の
箇所を選び、糸を下げる。
しかし、海霧に包まれた遭難
箇所は、水深も大きく、潮流も激しく、荒れ果てていて到底近寄ることは出来なかった。
のみならず偶然目についた
箇所は余人は知らずわたし自身には見逃しのならぬ一行だった。
夕食ごろから静まりかけていた春のならいの激しい風は、もうぴったり納まって、ところどころ屑や葉を吹き溜めた
箇所だけに、狼藉の痕を残している。
圓山川の右岸に一
箇所、好い緑蔭があつたが、その大樹が、川へ枝をさし出してゐる下に、舟をとめて釣つてゐるのは、實に閑雅な、のどかなものだつた。
その破れた
箇所には、また巧妙な補片が当っていて、まったくそれは、創造説を信じる人にとっても進化論を信じる人にとっても、不可思議な、滑稽な耳たるを失わない。
そこへ何
箇所もしやべつてまはるのだから、少からず疲れてしまつた。
それにしても、
箇所々々を見てゆくと、あまり虚構が多いのに、驚かずにはゐられない。
日本紀の一部分と、古事記の中、語部の口うつしに近い
箇所は、敍事として自然な描寫法と思はれる三人稱に從うて居る。