ツイ此頃も或る建築雑誌に某紳士の新築家屋の写真が出てゐたが、書斎の写真を見ると、左に右く体裁は作つてあるが、
肝腎の本箱の書物の憐れなのはお座がさめて了ふ。
そこには
肝腎のBさんは勿論、日本人は一人も見当らなかった。
もし万一途中で断れたと致しましたら、折角ここへまでのぼって来たこの
肝腎な自分までも、元の地獄へ逆落しに落ちてしまわなければなりません。
なにしろ光国が
肝腎の物語りをしないで、喜猿の鷲沼太郎とかいうのが名代を勤めるという始末ですから、まじめに見てはいられません」
おまけに
肝腎の坂田自身がお話にならぬ難物であつた。
しかし
肝腎の点はあくまでも前述のごとく、従業員から転社の自由を奪い取った点にある。