然し貞節への防衛というものが、単に処女という自然の動物力からきているだけで、教養によって
裏づけられてはいないのだから、本当はたよりない。
若い娘たちが空論を弄ぶのと違って、四十をこした由起さんが自分の体験を理論の
裏づけにして、穏やかに、しかし相当の硬論を吐いているところは大人々々している。
ほんたうの「語られる言葉」は、もつと日常生活に即した、刻々の感情に
裏づけられた、唐突ではあるが自然な、整理されてはゐないが常に呼吸の通つた言葉である。
それはつまり、思想が常に感情によつて
裏づけられ、その感情が常に一つの心理的韻律となつて流動することである。
生への宗教的思慕と、文学的探究心と、そして知性ある情熱とが友情を
裏づけていた。