孫七の家には大きな囲炉
裡に「お伽の焚き物」の火が燃えさかっている。
庫
裡には釜をかけた囲炉
裡の側に、勇之助が蜜柑を剥いている。
さすれば内
裡の内外ばかりうろついて居る予などには、思いもよらぬ逸事奇聞が、舟にも載せ車にも積むほど、四方から集って参るに相違あるまい。
わが所望は一あり、渠が知己としてにあらず、渠が朋友としてにあらず、渠が
裡面の傍観者として、渠の心機一転の模様を論ずるの栄を得む。
——暗のなかに仄白く浮かんだ家の額は、そうした彼の視野のなかで、消えてゆき現われて来、喬は心の
裡に定かならぬ想念のまた過ぎてゆくのを感じた。
それはごくほのかな気持ではあったが、風に吹かれている草などを見つめているうちに、いつか自分の
裡にもちょうどその草の葉のように揺れているもののあるのを感じる。
そして
裡に住むべきところをなくした魂は、常に外界へ逃れよう逃れようと焦慮っていた。
美術に余情あるは、その作者に
裡面の活気あればなり、余情は徒爾に得らるべきものならず、作者の情熱が自からに湛積するところに於て、余情の源泉を存す。
寂漠たる山色月影の
裡に浮んで恰も畫のやうに見えるのである。
五軒目には人が住んでいたがうごめく人影の間に囲炉
裡の根粗朶がちょろちょろと燃えるのが見えるだけだった。