その帰りに人通りの少ない屋敷続きの登り坂へかかると、誰か一人ぶらさがるように
後ろからNさんに抱きついたものがある。
保吉は溜飲を下げながら、物売りを
後ろに歩き出した。
僕の
後ろにはいつの間にか鼠色の大掛児を着た支那人が一人、顔中に愛嬌を漲らせていた。
最後に
後ろの牛小屋へ行けば、ぜすす様の産湯のために、飼桶に水が湛えられている。
長谷川は保吉の
後ろの机に試験の答案を調べかけたなり、額の禿げ上った顔中に当惑そうな薄笑いを漲らせていた。
殊に高い勘定台の
後ろに仏頂面を曝した主人は飽き飽きするほど見慣れてゐる。
僕の
後ろにある岩の上には画にあるとおりの河童が一匹、片手は白樺の幹を抱え、片手は目の上にかざしたなり、珍しそうに僕を見おろしていました。
なんでもこの時は内蔵之助が馬をひいて花道へかかると、桟敷の
後ろで母におぶさっていた私が、うれしがって、大きな声で「ああうまえん」と言ったそうです。