」などと表面、あいまいな返事をして置きますが、心のなかでは、何だかその人が、大変
見当違いなことを云って居る様な気がします。
遠い方角というものは、思いもよらない
見当違いをしがちであるが、十日前にも火の手を見たから、熱海の方角に狂いはない。
しかし、どんなにやかましい注意をうけても、今度が初めての店出しというおぼこ娘のお染には、どうしていいかちっとも
見当がつかなかった。
つまり夫人がかの女を、世間普通の賢母と同列に置いた
見当違いが、かの女を焦立たせた。
ある日の帰途気まぐれに自分はEで電車を降り、あらましの
見当と思う方角へ歩いて見た。
いったいどこから浮かんで来た空想かさっぱり
見当のつかない屍体が、いまはまるで桜の樹と一つになって、どんなに頭を振っても離れてゆこうとはしない。
槽を使う(諸味を醤油袋に入れて搾り槽で搾ること)時に諸味を汲む桃桶を持って来いと云われて
見当違いな溜桶をさげて来て皆なに笑われたりした。
予は此の停車場へ降りたは、今夜で三回であるが、こう真暗では殆んど東西の
見当も判らない。
けれどもいったい林の中を通ってるんだか、やぶの中をくぐっているんだかはさっぱり
見当がつかなかった。
彼は考えに考えたが、さて何をいったい考えたらいいのか
見当がつかなかった。