その番
頭さんから、今朝、電話で、東京も昨晩から大雨で、浴衣一枚では寒いくらゐだつて申して参りましたんですよ。
しかも彼等の
頭の上には、——ラマ教の寺院の塔の上にはかすかに蒼ざめた太陽が一つ、ラッサを取り巻いた峯々の雪をぼんやりかがやかせているのである。
「番
頭さんは口が重くって話しにくいと云いますから、わっしから取り次いでも好うがすかえ」
こつちも黙つて、ろくすつぽう見もしないで、そのなかのどれかこれかを、指の
頭でおす。
従つて同窓たちの
頭の中には、彼等が学校を出るまでの間に、何時か彼女と俊吉との姿が、恰も新婦新郎の写真の如く、一しよにはつきり焼きつけられてゐた。
我々の
頭の上の壁には、禁煙と云ふ札が貼つてあつた。
すると傘のない電燈が一つ、丁度彼の
頭の上に突然ぽかりと火をともした。
当時十七歳だつた——家の令嬢明子は、
頭の禿げた父親と一しよに、今夜の舞踏会が催さるべき鹿鳴館の階段を上つて行つた。
九「お前さんは湯屋の番
頭さんなら内証で手拭を持って来ておくんなさい、お願いです」
それがすむと、番
頭さんがはたきをかけてまわるあとから要吉は、じょろで、水をまいて歩くのでした。