この二、三年は
まことに忌な年だったと言い暮らしているうち、暦はことしと改まって、元日から空っ風の吹く寒い日がつづいた。
帰る時も舟から直に本所側に上って、自分の屋敷へ行く、
まことに都合好くなっておりました。
「
まことに恐れ入りますが、どうかここをお通し下さいまし。
まことに賛賞どころか、三嘆にあたいする推断というべきですが、だからおしゃべり屋の伝六の喜び方は、もうひととおりやふたとおりのものではありませんでした。
だが、そのせつな!——、
まことに人の世の吉凶禍福はあざなえるなわのごときものでした。
行きずれに、なにやらあわてふためいてお組屋敷へ駆け込んでいった敬四郎の姿をちらり右門が認めたかと思うと、
まことに不思議な変わり方だった。
という珍奇無双なのがあるそうですが、月に浮かれて夜ふかしをせずとも、この季節ぐらい、
まことにどうも宵臥し千両、朝寝万両の寝ごこちがいい時候というものはない。
といへば、はや察せられるやうに、口繩坂は
まことに蛇の如くくねくねと木々の間を縫うて登る古びた石段の坂である。