この三人の学者は、毎時間に、五分間を観測と記録に費すと、故障の突発しないかぎり、あとの五十五分間というものを過ごすのに、
はなはだ退屈を感ずるのだった。
毎日午前だけ講演に行った私は、午後と夜とをこの座敷で、
はなはだ泰平に暮す事が出来た。
湯にしてやや冷を帯ぶるものを見、これを指して水なりといい、水にして少しく熱を含むものを見、これを指して湯なりという、ここにおいて庸俗の徒は
はなはだ惑う。
かかる保証を有ちながら、私が所有地解放を断行しなかったのは、私として
はなはだ怠慢であったので、諸君に対しことさら面目ない次第です。
秋近き空の色、照りつける三時過ぎの強き日光、すこぶるあついけれども、空気はおのずから澄み渡って、さわやかな風のそよぎが
はなはだ心持ちがよい。
私の家は代々お奥坊主だったのですが、父も母も
はなはだ特徴のない平凡な人間です。
丸い柱や、両方のガラス窓が、
はなはだみすぼらしい。
ことに、フロックコオトに山高帽子をかぶった、年よりの異人が、手をあげて、船の方を招くようなまねをしていたのは、
はなはだ小説らしい心もちがした。
その得意になって、泣き落しているところが、
はなはだ自分には感心できなかった。
その町に城山というのがあって、大木暗く茂った山で、あまり高くはないが、
はなはだ風景に富んでいましたゆえ、私は散歩がてらいつもこの山に登りました。