心も軽く案内に立つドロボー君、二階の
ドアをあけて、タダイマア——と靴をぬごうとすると、土間の女の下駄の横に靴べラが落ちているのに目をとめた。
ところが塔内に入って
ドアを締め終った老看守は今度は身をすりつけるようにして急に声をおとすと、訴えるように言った。
よく見ると、二階の窓に堅く
ドアを閉め切ってカーテンをおろしてあるばかりか、往来から階下の窓を覗かれないように塀を作ってあるらしい。
すると、
ドアをたたく音がしたので、出て見ると、乗馬服を着けたヴィール夫人がそこに立っていた。
ペンキの剥げ落ちた
ドアに通じる路だけが、どうにか路らしく踏みにじられてある以外は、雑草が跳梁するままだった。
のぼりきると、そこにたたみ一畳じきよりすこしひろいぐらいの踊り場があり、そこに研究室内にはいる唯一の
ドアがひらいていた。
ドアの外でまた女達が、楽器の音に賑かに踊り出した。
隣の
ドアがけたたましく開いたと思うと清逸の
ドアがノックされた。