唐の長安の雲花寺に聖画殿があって、
世にそれを七聖画と呼んでいる。
今茲に私の異態の知れない思想を一冊の詩集にまとめて
世におくるといふことは、喜んで良いことであらうか、悲しんで良いことであらうか、私自身わからない。
一、二十四、五円以下の配当の馬を買うほどならば、見ているに如かず、何となれば、
世に絶対の本命なるものなければ也。
世に気楽なるものは文学者なり、
世に羨ましき者は文学者なり、接待の酒を飲まぬ者も文学者たらん事を欲し、落ちたるを拾はぬ者も文学者たるを願ふべし。
いくら仇同士であろうとも、操りの人形に魂がはいって、敵と味方とが夜なかに斬り結ぶなぞという、そんな不思議が
世にあろう筈がない。
その選出議員が実地の問題に遭いて生平の持説に背くことなきか、選挙人たる者、沿革変遷の上より今日
世に存する政論の種類を考え、もって選出議員の言動と比較せよ。
歴史家が偶然の出来事は
世に存在せずと言ふも是れ吾人と同一の意見に出づるものならん。
近いためしは今わたしらが擣っている修禅寺紙、はじめは賤しい人の手につくられても、色好紙とよばれて
世に出づれば、高貴のお方の手にも触るる。
世に親というものがなくなったときに、われらを産んでわれらを育て、長年われらのために苦労してくれた親も、ついに死ぬ時がきて死んだ。
それにしても聖処女によって
世に降誕した神の子基督の御顔を、金輪際拝し得られぬ苦しみは忍びようがなかった。