十年ぶりで三島駅から大仁行の汽車に
乗換えたのは、午後四時をすこし過ぎた頃であった。
一帆がその住居へ志すには、上野へ乗って、須田町あたりで
乗換えなければならなかったに、つい本町の角をあれなり曲って、浅草橋へ出ても、まだうかうか。
ところが電車に乗っている間に、また気が変ったから今度は須田町で
乗換えて、丸善へ行った。
そんな次第で、昨日まず私達は長万部で室蘭線に
乗換えてS金山へ行った。
汽車の
乗換え連絡、不規則で粗末な食事、たえず相手が変って長つづきせず、けっして心からうちとけ合うようなことのない人づき合い。