上甲板で、かう云ふ騒ぎが、始まつてゐる間に、中甲板や下甲板では、所持
品の検査をやり出しました。
彼は額の広い、頬のこけた、年にも似合わず眼に働きのある、
品の好い半白の人物だった。
だから、その当主たる斉広が、金無垢の煙管を持つと云う事は、寧ろ身分相当の装飾
品を持つのに過ぎないのである。
そうしてあらゆる優れた芸術
品から受ける様に、この黄いろい沼地の草木からも恍惚たる悲壮の感激を受けた。
彼等は、この五位の面前で、その鼻と口髭と、烏帽子と水干とを、
品隲して飽きる事を知らなかつた。
尤も御所持の御什器のうちには贋物も数かず有之、この「かなりや」ほど確かなる
品は一つも御所持御座なく候。
彼は二
品をおづおづ主人の枕元へ押し並べると、思ひ出したやうに又、口を早めて、専念に称名を唱へ始めた。
髭は
品の好い鼻の下に、——と云ふよりも薄い唇の左右に、丁度薄墨を刷いたやうに、僅ばかりしか残つてゐない。
流行の大なる未成
品のごときは、僕にとって、なんらの意味もない。
しかし泰平の時代に好んで、愛すべき過去の美術
品を破壊する必要がどこにあろう。