別に活計に困る訳じゃなし、奢りも致さず、偏屈でもなく、ものはよく
分る、男も好し、誰が目にも良い人。
芥川の「手記」をよめば、芥川の心境は澄み渡ってい、落ち付き返ってい、決して生々しい原因で死んだのでないことは、頭のある人間には一読して
分るだろう。
三月中旬に、大阪より青木一重、淀君の妹の常高院などが駿府に下り、家康に増封を請願しているのでも
分る。
が、勝を譲ったと云う事が、心あるものには
分るように、手際よく負けたいと云う気もないではなかった。
それがこっちから見ていると
分るので、可笑しかった。
汽車の歌志内の炭山に
分るゝ某停車場に着くや、車中の大半は其処で乗換へたので残るは余の外に二人あるのみ。
歩ける嬉しさ、坐れる嬉しさ、自然に接しられる嬉しさは、そのいずれも叶わぬ不自由な境涯に落ちて一そうはっきりと私に
分るようになった。