「匂いのふれる」の例文

「匂いのふれる」の書籍での例文

そこら辺りにやしおの花が鮮に咲き、丸味のある丘には一面茶の木が鶯餅を並べたように萌黄の新芽で装われ、大気の中にまでほのぼのとした匂いを漂わしていた。

東海道五十三次

岡本かの子

人と話しをしている時は勿論、独りでいる時でも、彼はそれを懐中から出して、鷹揚に口に啣えながら、長崎煙草か何かの匂いの高い煙りを、必ず悠々とくゆらせている。

煙管

芥川竜之介

悪性の病をわずらって悪臭を放ち、それを消すために安香水の匂いをプンプンさせていたが、そんな頭の働かせ方がむしろ不思議だとされていた。

「君の部屋は仏蘭西の蝸牛の匂いがするね」

自分は自分の不活溌のどこかにそんな匂いを嗅いだ。

泥濘

梶井基次郎

ひとしきりすると闇のなかからは芳烈な柚の匂いが立ち騰って来た。

闇の絵巻

梶井基次郎

すると木蓮によく似た架空的な匂いまでわかるような気がするんです」

闇の書

梶井基次郎

——日なたの匂いを立てながら縞目の古りた座布団は膨れはじめた。

匂いのいい蚊帳と糊のよくきいた浴衣。

時どき彼らは日向や土の匂いのするようなそこの子を連れて来て家で遊ばせた。

雪後

梶井基次郎

「匂いのふれる」のオンラインでの例文

鼻孔をくすぐる、夜の森と水の匂い。

墓守絵馬

きちんと洗って畳んでしまわれていた衣類からは、まだ冬の匂いがしない。

鈴懸ねいろ

大人の女の人の匂いだ。

うみ

そう思うとセーターにはその人の匂いや着方の個性などが少しずつ刻まれていくのかなぁと思います。

さっち＠自由が丘の小さな雑貨屋

経営者というビジネスの匂いがしない。

政近準子

リプからも「これ先生側からだと匂いでわかるんじゃないんですか？」と結構来たのですが、普段から教室が男臭いので気付かなかったかもしれないですね…笑。

コンテくん

オナラの臭さはオナラに含まれるたった1％程度の硫化水素(H2S)などの化合物の匂いです。

まと。《まとまる》

このスーツからは昭和の匂いはしない。

きこらん

名俳優、名演出家であり天才と誰もが認めた方であるのだが、全く持って文章に偉ぶった匂いがしない。

さひがしジュンペイ

ママの匂いが染み付いているからと言って。

とのむら　のりこ　

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