ただ、元来無精な所から、何も近所にあるものを嫌ってまで、遠くの風呂へ行くにも
及ぶまいじゃないかといった点で、別に是非をつけてはいなかったのである。
咳が出る、食欲が進まない、熱が高まると言う始末である、しのは力の
及ぶ限り、医者にも見せたり、買い薬もしたり、いろいろ養生に手を尽した。
……大通り四ツ角の郵便局で、東京から組んで寄越した若干金の為替を請取って、三ツ巻に包んで、ト先ず懐中に
及ぶ。
薩軍が鹿児島を発した日から南国には珍らしい大雪となって、連日紛々として絶えず、肥後との国境たる大口の山路に来る頃は、積雪腰に
及ぶ程であった。
勝家以下の諸将が、変に応じて上洛を期したけれども、秀吉の神速なる行動には
及ぶべくもなかった。
うっかりすると落命に
及ぶのですから、この前に懲りてみな縮み上がってしまいました。
が、その前方——半里四方にも
及ぶなだらかな緩斜は、それはまたとない、草木だけの世界だった。
しかも、そうした場所にひとたび鶴嘴を入れるや、必らず上部に地滑りが起り、しだいに亀裂を生じて、ついにはこれが数千メートルにも
及ぶ始末である……」
してみれば、茶碗をいくらもてはやしたとてとがめだてには
及ぶまい。