しかし万一渡らなかったにしろ、君は格別僕の手紙を予想しているとも思われないからその点だけは甚だ
安心している。
一人でも自分のような鼻のある人間を見つけて、
安心がしたかったからである。
それはなるほど思う存分に施して、これで
安心というまでに手を尽して秋をまつにしくはない。
私は人間の
安心というものが科学によってのみ保証されるとは思っていない。
が、その緊張した感じと前後して、一種の弛緩した感じが——云はば、来る可きものが遂に来たと云ふ、
安心に似た心もちが、通りすぎた事も亦争はれない。
しばらくの間に兵営生活が身につき、彼自身も本当の一兵士に還元した
安心と落ち着きとがあり、したがつてのびのびした自由さが感じられた。
老婆は、こう言って、わるがしこそうに、じろじろ、左右をみまわしたが、人通りのないのに
安心したのかまた、厚いくちびるをちょいとなめて、
その結果は、啻に道徳上の破産であるのみならず、凡ての男女関係に対する自分自身の
安心というものを全く失って了わねば止まない、乃ち、自己その物の破産である。
蓋し薄弱なる人間は、如何なる場合にも多くは己を恃む能はざるものなるが、其の最も不
安心と感ずるは海上ならむ。