ところが段々馴染んで行くと、好奇心をとおり越して、一種
異状な状態に陥りました。
而してこれが人間の最も深い最も眞實な本性であつて、暗黒の方面に向ふ傾向は、人間の本性の
異状を呈してゐる姿である。
とは言え彼は又あらゆる科学の分野に亙って、周到な洞察力と
異状に明晰な分析的智力を振い宏大な価値深い学識を貯えていた。
とは思ったが、歴々彼処に、何の
異状なく彳んだのが見えるから、憂慮にも及ぶまい。
この
異状というのは、カードを持った右側の人の横顔がちがっている。
机を向かい合わせた同僚にも格別
異状などは見えなかったそうである。
町役人立合いで検査したが、半鐘にはなんの
異状もなかった。
然れども久米は勝誇りたる為、忽ち心臓に
異状を呈し、本郷まで歩きて帰ること能ず。
彼女は孤独で震えるように成ったばかりでなく、もう長いこと自分の身体に
異状のあることをも感じていた。