それからまた向うから渡って来て、この橋を越して場末の
穢い町を通り過ぎると、野原へ出る。
奈良朝になると、髪の毛を
穢い佐保川の髑髏に入れて、「まじもの」せる不逞の者などあった。
そのくせ、
穢い女の子と並ばされたうら悲しい気持だけが、馬鹿にはつきり浮んで来るのはどうしたものか。
「はい、
穢いところでございますが、どうぞおあがり下さい」
それからまた向ふから渡つて来てこの橋を越して場末の
穢い町を通り過ぎると、野原へ出る。
職員室には、十人許りの男女——何れも
穢い扮装をした百姓達が、物に怖えた様にキヨロ/\してゐる尋常科の新入生を、一人づゝ伴れて来てゐた。
病人があるとでも聞けば、
穢い小屋の下へ、臭いと云ふ顔もせずに入り込んで、親切に力を付けてやつた。
だがその上を蔽うているのは、莚張りの蒲鉾小屋、随分
穢い、雨露にうたれたのだ。
うす
穢い兵隊服にズダ袋一つ背負つた恰好の佐太郎が、そこの丘の鼻を廻れば、もう生家が見えるという一本松の田圃路まで来たとき、フト足をとめた。