貴女に紹介された大学生、つきあつてみると、せんど
厭らしい奴やないの。
エラブ鰻だのべーリング海だの私の知らないことまで知つてゐて、あんな
厭らしい奴つたら有りませんわ、と大憤慨である。
カマキリは負けて亢奮してくると、私を姐さんとよんで、
厭らしい目付をした。
私が今話の序開をしたその飛騨の山越をやった時の、麓の茶屋で一緒になった富山の売薬という奴あ、けたいの悪い、ねじねじした
厭な壮佼で。
義太郎 (駄々をこねるように)
厭やあ、面白いことがありよるんやもの。
するとSもその瞬間に僕の気もちを感じたと見え、
厭な顔をして黙ってしまった。
女中はそれでも
厭な顔をせずに、両手にコップを持ちながら、まめに階段を上り下りした。
「泥棒?
厭あな小母さん! そんな職業があるの? 泥棒だなんて……」